変換符号化によく用いられる離散コサイン変換は、数学的には可逆であっても、整数から整数への変換では非可逆になってしまう。これを可逆化するために、変換をラダー回路で実現し、各ラダーに丸め処理を導入して、整数変換での可逆変換が実現されている。単純なラー回路への置き換えでは、丸め誤差が蓄積して変換精度が悪くなるため、丸め処理を減らしたラダー回路も提案されているが、演算量が増えてしまう。そこで本報告では、2 x 2 点データの水平・垂直回転変換を、少ない演算量で実現できるラダー回路の構成を提案する。提案するラダー回路に丸め処理を導入して可逆変換を行うと、従来方式よりも低演算量で変換精度を向上できる。
