抄録
本研究では,水中の奥行きが既知の対象を撮影し,空気中での観測画素値に取得画像を補正する手法を提案する.本手法では物体表面の反射率,奥行き,光源環境,散乱係数,吸収係数から観測画素値を算出する減衰モデルを用いる.まず,反射率が既知のマーカを計測し,減衰モデルで算出した画素値と観測された画素値が一致するように散乱係数と吸収係数を最適化する.次に,補正する対象物の画像と上記係数から対象物の反射率を算出し,画像を補正する.実験では,自然環境を模して緑に着色した水中で奥行き60cm の位置の平面状の対象物を計測し,空気中に近い画素値に補正されることを確認した.