抄録
本論文では、物体表面で発生する水はねをコンピュータグラフィックス(CG)により簡易に表現する手法を提案する。水滴の大きさや落下面の材質と状態および保水量を反映可能な水はねモデルを考案するため、それらの条件を複数組み合わせた水はね発生実験を行い、高速度撮影カメラを用いて撮影した。映像を分析した結果を基に、以下の3 点を特徴とする小さい計算コストで十分な視覚的効果を得る事ができる簡易水はねモデルを考案した。(1)物体表面の材質と保水状態を反映させた水はねパターンを生成可能。(2)重力と空気抵抗の影響を考慮した水はねの軌道計算が可能。(3)落下水滴の入射方向を反映させた水はねを生成可能。提案手法を実装し、適用例によりその有用性を確認した。