ネットワークを利用した映像コンテンツサービスが普及により,さらに多くの映像利用が予測される.このような中で,特に,映像配信の高効率化として,映像のキャッシュ配信が検討されている.また,利用者は様々な情報端末から映像を利用するため,複数品質の映像管理・提供方法が課題の一つとなっている.そこで,我々はこれまで,スケーラブルデータによるキャッシュ映像管理方式について検討してきた.本研究では,映像利用サービスモデルを定義し,複数品質に対応した階層データによる映像管理方式における優先度算出ルールを提案する.高品質利用率をq とすると,実験結果において,提案方式は従来方式より,q=0.6 の場合最大約11.4[%], q=0.8 の場合最大約17.6[%] 伝送効率が向上することがわかった.特に,高品質利用率が高い場合,提案方式の有効性が高いといえる.