抄録
CG 映像作品で日常を描写する際に必要なさまざまな現象のひとつとしてシールの剥がれ跡がある。 本稿では、シールがきれいに剥がれなかった場合の不規則な剥がれ跡の形状を再現する手法を提案する。シールの紙繊維の集まりを、小さな厚みを持つ立方格子の拡がりとしてモデル化した。格子節点間の接続はばねモデルを基本としている。粘着剤の部分はフックの法則を修正したばねモデルを用いた。主なパラメータとしてばね定数と分断点を各ばねに対して設定し、ばねの方向やシール内の層の高さに応じてパラメータに変化を持たせた。本手法を実装し各種条件の下での再現実験を行い良好な結果を得た。