画像電子学会研究会講演予稿
Online ISSN : 2758-9218
Print ISSN : 0285-3957
画像電子学会第292回研究会講演予稿
セッションID: 19-03-10
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3 色覚者に内在する 2 色覚性に関する検討
-Y-B もしくは R-G のみが変化する刺激を用いた実験-
*遠藤 黎餅原 幹太比良 祥子大古場 稔石川 智治阿山 みよし大塚 作一
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抄録
多次元尺度構成法(MDS : Multidimensional-Scaling)を使用して,3 色覚者に内在する 2 色覚性を 調査した.その結果,正常な 3 色覚を有する日本人の多くの場合には「R-G 軸を中性色に保ち,Y-B 軸のみを変更 した刺激」を観察した際に得られた解析結果の散布図が凹型の 2 色覚性の特徴を強く示した.主観的な顕著性に関 する追加の一対比較実験を行った結果,MDS の第 2 軸が顕色性(知覚された色味の顕著性)を反映していることを 示した.換言すると,正常な 3 色覚者であっても,短波長もしくは長波長へのスペクトラムの偏りの信頼性に基づ く評価軸を有していることを意味する.人間の視覚系が,自然,特に農村部の環境に適応したことは非常に合理的 であると考えられる. 一方で, R-G のみを変化した刺激を観察した際には MDS の第 2 軸が「明るさの顕著性」 を反映していることを示唆した.
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© 2020 一般社団法人 画像電子学会
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