抄録
AR テーブルゲームでは,登場する物体を疑似的に触れることが可能である.そのため,通常のデジタルテーブルゲームに比べ,触れた時の温度や感触などの体験を与えることが可能である.しかし,AR テーブルゲームの多くはエフェクト等により没入感や臨場感を高める点に特化しているものが多い.そのため,触ることで得られる体験を十分に活用できていない.本研究では AR テーブルゲームにおいて温度を呈示するボード型温度呈示デバイスを開発し,触ることで得られる体験を付与することで,体験向上を図った.開発したデバイスを実際に体験してもらいアンケートを実施し,評価を行った.評価の結果,デバイスを使用することでオブジェクトの「存在感」「大きさ」を表現することができ,体験向上ができた.