コンピュータで合成された画像は,写実性の観点においてテクスチャに大きく依存する.本研究では,実世界でよく見られる錆テクスチャに着目し,ユーザスケッチを入力とする錆テクスチャ生成システムを提案する.まず,錆テクスチャを制御マップに変換し,大規模変動や非局所的な特徴を抽出する.そして制御マップをスケッチデータに変換し,大局的な形状情報を抽出する.これにより,錆テクスチャから制御マップとスケッチを得る.この 2 つの画像と元の錆テクスチャから構築した学習データセットを用いて,ユーザスケッチから複雑な構造を持つ錆テクスチャを生成するための二段階の生成モデルを学習する.以上の提案手法を利用して,ユーザスケッチから錆テクスチャを生成するシステムを実装し,生成される錆テクスチャの入力スケッチとの忠実性,錆テクスチャとしての写実性,多様性について評価する.