2020 年 26 巻 p. 167-176
せん断流中に直線翼ダリウス風車を設置した際に,速度分布が風車性能に与える影響を風洞実験と数値流体解析により調べた.実験では風洞ノズル出口に多孔板を設置することで二次元性のあるせん断流を作成した.せん断流中での風車の出力係数は一様流の場合よりも大きくなった.出力係数が最大となる最適な多孔板の位置はΨ(=Yp/D)=0.125であった.ここでYpは多孔板先端位置,Dは風車直径である.数値流体解析は二次元ではRANS,三次元ではLESを用いて行った.その結果,LESを用いた場合,出力係数において実験と数値流体解析の間で良い一致が見られ,トルク増減と翼周りの三次元流れ構造との関係を明らかにした.