抄録
本研究は新たに風圧実測システムを開発し、その性能を検証するものである。本システムは圧力計測に差圧センサではなく絶対圧センサを用いる。絶対圧センサを用いることで、各センサへ基準圧を導圧する必要がなくなり、格段に容易に風圧を実測することが可能になる。
本研究で実施した性能検証結果によると少なくとも20Hzまでの圧力変動を10Paの精度で計測可能である。これは、風速15m/s以上の風速下において小数点以下第1桁までの風圧係数の値を算出するのに十分な性能である。また、風を吹かせた風洞内に配置した風洞模型の表面の圧力を本システムと差圧センサを用いて計測し比較を行ったところ、相互に対応した風圧時刻歴が計測されており、本システムによる風圧計測が可能であることが示された。