抄録
実サイトの風速・風向データを使用し、実風況場における風車ウエイク挙動を解明した。10分データの分析では、実際に風車ウエイクが生じていることを確認し、ウエイクの影響が風向変動の大きさで変化することを明らかにした。2次元のPorous-Diskモデル使用したシミュレーションでは、実機の1秒データを計算の境界条件に与えることで、実風況場の風車ウエイクを再現した。計算結果は観測結果と時間のずれが生じたものの、ずれを補正すると非常によく一致することが確認された。実際の風況場では、風速・風向の変動により風車のウエイクが著しく変化しており、下流側の風車にウエイクが影響する時間帯が頻繁に入れ替わって発生することが明らかとなった。