抄録
Hu and Yoshie (2020)は汚染物質に対する大気安定度の影響度合いを表す関数SER_C* (Stability Effect Ratio for Normalized pollutant concentration C*)を提案した。SER_C*は非中立時の無次元濃度C*と中立時のC*の比を表す。風洞実験ではバルクリチャードソン数(Rb)が増加するにつれてSER_C*が増加することを示した。しかし、風洞実験のRbの範囲が実大気のRbの範囲をどの程度カバーしているか明らかではない。また、Rbとパスキル安定度階級との対応関係も明確ではない。そこで本研究ではまず風速・気温の観測値とWRF解析で得られた地表面温度から実大気のRbを求め、Rbの範囲と発生頻度およびRbとパスキル安定度階級の対応を明らかにした。次に東京都内の大気観測局で観測されたNOx濃度をRbで分類し実大気のSER_C*とRbの関係を調べた。