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青森県平川市内の中小河川の溶存成分濃度とその季節変化を調査するとともに、農業などの人為活動の影響を評価した。調査対象は平川市の山地を水源とし平地へ流下する枇杷田川・六羽川・広船川・浅井川・引座川とこれらが注ぎこむ平川の本流である。調査は2018年の4月から11月に行い、2019年4月に再開した。溶存ケイ酸は、年間平均濃度が上流で高く下流で低くなり、加えて顕著な季節変化を示した。中流域では河川水を農業用水に利用しているため、稲作水田でのイネによる取り込みが濃度を低下させる原因と考えられた。そこで2019年は、試験水田を設定し、流入水、水田内用水、流出水の溶存ケイ酸濃度の観測を開始した。その結果、高低差がある2枚の水田において、供給水、上段の水田、下段の水田、放流水へと溶存ケイ酸濃度が次第に低くなることが認められた。供給水の溶存ケイ酸がイネの成長の過程で吸収されたことを反映しているものと考えられた。