西部造船会々報
第107回西部造船会例会(平成15年度秋季造船三学会連合大会)(西部造船会々報 第107号)
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機関室火災における煙流動状態に関する模擬実験と数値解析
*鷹尾 潤森 剛敏福地 信義篠田 岳思
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p. 000018

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抄録

機関室火災に対する防火・消火・避難対策のためには、燃料常用タンクからの溢出油、機関燃料管からの噴出油などのプール燃焼に基づく火災拡大現象の特異性を認識すると共に、その発煙特性や煙流動状態の十分な把握が不可欠である。このためには、火災時の機関室内気流予測を行って煙流動・拡散の様相を調べ、火災感知器の取付け位置や避難経路を策定する必要がある。
本研究では、機関室火災における火災感知・消火活動・避難などの火災安全設計を目的に、全長255mのパナマックス型バルクキャリアの4層デッキの機関室部の1/20模型での漏煙試験用発煙片を用いた煙流動・拡散の模擬実験を行なった。また実験に対応した煙流動の数値計算を行い、さらに発煙特性や給気、出火位置等の異なる条件を考慮した煙流動・拡散の様相について調べた。
その結果、以下のことが明らかになった。
1)密閉空間内において、エンジンオープニングで火災が起こった場合には火災煙が最上層に達し、その後煙層の降下により各甲板へ流動・拡散し、煙が短時間に機関室全体に拡散する。
2)煙流動は模型内の換気流に大きく依存するため、ファンの配置と流量が煙流動に多大な影響を与える。
3)ファンからの換気流によって煙の拡散が早まり、特にエンジンオープニング(エンジン周辺)では換気流と煙が複雑に絡み合い、複雑な様相を示しながら流動・拡散していく。

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© 2003 公益社団法人日本船舶海洋工学会
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