和歌山保健看護学会誌
Online ISSN : 2760-3555
Print ISSN : 2435-1512
原著
クリーンルーム入室患者の不適応感尺度短縮版における妥当性および患者自身が使用する有用性の検討
山田 忍
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2023 年 13 巻 1 号 p. 32-44

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抄録
【目的】 患者へのCnA-S2への記入による調査と看護師の記入による調査において,『身体的苦痛感』,『疾患に対する危機感』,『社会的役割の喪失感』,『近親者からの支援への不安感』,『医療への不安感』,『閉鎖的空間への不安感』,『情動性傾向』 7つの下位尺度得点の差について検討した.更に,患者への項目内容への意見を求め,尺度を患者自身が記入し活用することが可能であるかを検討した.
【方法】 クリーンルームに入室している患者とその患者を担当する看護師をペアリングし,患者と看護師のCnA-S2における下位尺度得点をPearsonの相関係数,t検定による比較と患者の意見から評価した.
【結果】 対象患者と看護師ペアリング20組のデータが得られた.下位尺度得点の相関は,『閉鎖的空間への不安感』,『身体的苦痛感』,『情動性傾向』,『社会的役割の喪失感』,『医療への不安感』の5つで正の相関を認めた.看護師と患者の各下位尺度得点の差の比較では,『疾患に対する危機感』で患者が高く,5%水準で有意差があった.調査票への意見は希望する患者にとっては,自分の状況を客観視できるツールとして活用したいという意見であった.見え難さや記載の難しさも指摘された.
【考察】 CnA-S2の下位尺度5つで正の相関を認め,患者と看護師の評価において,大きな違いはなく両者で使用可能であると考えられた.『疾患に対する危機感』で有意差を認め,死への不安や家族に迷惑をかけている想いなど医療者は,見落とすことなく察知する必要があると考えられた.患者自身が自分の状況を可視化し客観視できるツールとして有用で あると示唆された.
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