抄録
従来のサンプリングは, 廃棄物を処理・処分するために, 廃棄物の性状等を把握するために主に行われてきた。しかし, 近年のリサイクル・国際循環などの進展により, サンプリングに期待される役割も変化している。本稿では, 現在のサンプリングが果たす役割とともに, 実際に行われているサンプリング手法や規格などを紹介した。また, 単一組成廃棄物と多組成廃棄物に分けてサンプリングの理論を解説し, 廃棄物のサンプリングでは一定程度のばらつきは許容しなければならないことを述べ, ばらつきをふまえた試験値の判定方法を示した。