廃棄物学会誌
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物理探査法を用いた産業廃棄物不法投棄現場の調査事例
―現場調査における物理探査法の適用―
磯部 友護甲斐 充山地 由記川嵜 幹生小野 雄策
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2007 年 18 巻 6 号 p. 338-344

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抄録

廃棄物の不法投棄は, 循環型社会の円滑な推進のためには喫緊に対応しなければならない課題である。本報では, 採土場跡地での産業廃棄物不法投棄現場において, 物理探査法として比抵抗探査, 表面波探査と, ボーリング調査を併用し, 地中の廃棄物の投棄状況の調査を行った。比抵抗探査によって30Ωm以下の低比抵抗領域と数百Ωm以上の高比抵抗領域が存在することが確認され, ボーリング調査から, それぞれ廃棄物層と地山であると推定された。さらに, 比抵抗構造断面図と, S波構造断面図における, 廃棄物層と地山との境界深度に相当する比抵抗値, およびS波速度を求めることにより, 廃棄物の分布状況が2次元的に描写できた。不法投棄現場では, 生活環境保全上の支障を除去するため現場調査を迅速に行うことが重要である。その際, 本報のように, 現場の全体像を把握することができる物理探査を活用した現場調査手法の有効性は高いものであることが示された。

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© 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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