抄録
本稿では,日本における働き方の質と量を計測・評価する指標として,リクルートワークス研究所が新たに開発した「Works Index(ワークスインデックス)」について,その背景,コンセプト,作成手順,結果の概要を説明する。具体的には,Works Indexは,五つのIndex(就業の安定,生計の自立,ワークライフバランス,学習・訓練,ディーセントワーク)から構成されるが,それらの一部は現状の働き方においてはトレードオフの関係にあることが示された。このことは,働き方はさまざまな側面から評価する必要性を示しており,Works Indexが提示している五つの観点が,働き方を多元的に評価して議論する上で有益であることを示唆している。