本特集は、現代世界における「大地」あるいは「地質学的なもの」という主題をいかに人類学的に考えうるか、をテーマとするものである。「人新世」の概念は一面で、近代において打ち立てられた「人間が営む歴史的時間」と「大地の悠遠な時間」という区別の崩壊を意味するものである。そうであるとすれば、今日の人文・社会科学には「大地の時間」がある意味で回帰していると言える。それでは、「大地」が、人間の営みにとっての「不動の背景」ではもはやないとすれば、それは何なのか。そしてそれはいかに記述されるべきなのか。本特集は、世界各地からの事例に基づいてこれらの問いに取り組む。