女性学
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論文
女性研究者が語る研究職としてのキャリアに関する意識の変化
―大学が実施する上位職育成プログラム参加者へのインタビュー調査から
樋熊 亜衣河野 禎之
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2024 年 31 巻 p. 48-68

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抄録

 大学等の研究機関に女性研究者、特に教授や管理職等の上位職の女性研究者が少ないことはわが国の社会課題の一つである。この課題に対し文部科学省は2006年から「女性研究者支援事業」を実施しているが、現状の数値等を踏まえると、効果が発揮されているとは言い難い状況にある。そこで本稿は「女性研究者支援事業」に採択された大学が実施する「上位職育成プログラム」に参加した13名の女性研究者へインタビューを行い、プログラムに参加したことによる変化や参加した動機をヒアリングした。これにより、①当該プログラムが女性研究者らのキャリアアップに対してポジティブな効果を発揮していたこと、②プログラムの効果と参加した動機の積極性は関連が薄く、プログラム参加への動機が消極的であってもポジティブな効果が期待できること、③必ずしも「キャリアアップ」が教授や管理職等への昇進とは考えられていないこと、の3点が明らかとなった。

 以上のことから本稿では次の三つ、(1)教授や管理職を含む研究者のそもそもの研究環境・労働環境の改善、(2)多様なキャリアパスを前提としたキャリアマップの作成、(3)研究者の「評価」方法の見直し、について提案した。

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