X線分析の進歩
Online ISSN : 2758-3651
Print ISSN : 0911-7806
原著論文
米中カドミウムの高感度分析と管理体制への提案
村岡 弘一粟津 正啓宇高 忠谷口 一雄
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2011 年 42 巻 p. 299-306

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抄録

エネルギー分散型蛍光X線分析装置は,迅速且つ再現性のある非破壊分析法として,有害重金属のスクリーニングに用いられている.測定試料の多様化が進む一方,検出感度はより高感度化が求められている.この要求に応えるために,50 Wの小型X線管,最適化されたフィルタ光学系そしてペルチェ冷却方式の半導体検出器を備えた小型,省力型のエネルギー分散型蛍光X線分析装置を開発した.本報告では,食品中で注目されている米中カドミウムの高感度定量結果より,今後食の安全性の観点から強化されるカドミウム濃度について開発装置を用いた管理体制の提案を行う.また,本方式による硬X線元素の検出について,幾つかの技術要素をハード構成と共に紹介する.

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© 2011 公益社団法人日本分析化学会 X線分析研究懇談会
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