2011 年 42 巻 p. 299-306
エネルギー分散型蛍光X線分析装置は,迅速且つ再現性のある非破壊分析法として,有害重金属のスクリーニングに用いられている.測定試料の多様化が進む一方,検出感度はより高感度化が求められている.この要求に応えるために,50 Wの小型X線管,最適化されたフィルタ光学系そしてペルチェ冷却方式の半導体検出器を備えた小型,省力型のエネルギー分散型蛍光X線分析装置を開発した.本報告では,食品中で注目されている米中カドミウムの高感度定量結果より,今後食の安全性の観点から強化されるカドミウム濃度について開発装置を用いた管理体制の提案を行う.また,本方式による硬X線元素の検出について,幾つかの技術要素をハード構成と共に紹介する.