X線分析の進歩
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Print ISSN : 0911-7806
総説・解説
X線ナノ集光の現状と展望
高野 秀和
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2011 年 42 巻 p. 83-94

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抄録

X線集光技術は,放射光光源技術や微細加工技術の発展に伴い,近年,特に硬X線領域で急速に向上している.これまでX線の集光素子として一般的に用いられてきた,フレネルゾーンプレートやKirkpatrick-Baez (KB)ミラーは,その原理的な集光限界近くに達しており,現在ではナノメーターサイズの集光サイズを目標とした,多層膜ラウエレンズや傾斜多層膜KBミラー等のナノ集光素子が出現している.その集光サイズは10 nm前後に達しており,従来“マイクロビーム技術”と呼ばれていた技術は,最近では“ナノ集光技術”へと変化している.本稿では,初歩的なX線集光光学と一般的なX線集光素子についての解説を行い,最近のナノ集光素子の紹介およびX線集光の現状と展望について述べる.

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© 2011 公益社団法人日本分析化学会 X線分析研究懇談会
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