X線分析の進歩
Online ISSN : 2758-3651
Print ISSN : 0911-7806
原著論文
X線回折/赤外分光同時測定システムの開発とココアバターの融解過程の観測
奥野 真里江畑 翔一西川 寿規小川 裕彌矢野 陽子
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2019 年 50 巻 p. 161-168

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抄録

分子集合体の結晶構造は分子の構造に関係している.分子構造の研究にはフーリエ変換赤外分光法(FT-IR)が広く用いられている.そこで我々は市販のFT-IRを組み合わせたエネルギー分散型X線回折装置を開発した.エネルギー分散型X線回折装置は,X線源として3 kWのタングステンターゲットのX線管球をもちい,検出器にはCd-Te放射線検出器をもちいた.また入射X線がATR-FTIR装置の試料位置に照射されるように設計した.その結果ココアバターは,脂肪酸の炭化水素鎖がトランス型からゴーシュ型へ変化し,それとともに融解することを確認した.

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© 2019 公益社団法人日本分析化学会 X線分析研究懇談会
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