2019 年 50 巻 p. 223-231
日本粘土学会が頒布しているJCSS-3101参考粘土試料に含まれているモンモリロナイトを,実験室系のX線回折装置による透過法測定結果を用いたRietveld解析により定量した.X線回折法による粘土鉱物の定量分析の課題である選択配向を,試料の加圧充填を必要としない透過法測定により解決した.標準試料を必要としないパターンフィッティング法の1つであるRietveld解析を用いて,JCSS-3101参考粘土試料に内標準物質としてコランダムを添加することで結晶相と非晶質を定量した.モンモリロナイト,石英,非晶質の定量値はそれぞれ,28.1±0.4,1.1±0.6,70.8±1.4 mass%となった.石英の定量値は,標準添加法による定量値(1.09±0.02 mass%)と近い値が得られた.