2022 年 53 巻 p. 139-149
X線顕微鏡(micro-EDXRF)では,試料の光学像と照合し元素イメージングを行うことで,試料中に含まれる元素の分布を知ることができるので,故障解析や異物解析に良く用いられる.しかしながら,EDXRFではBeの検出器窓により炭素(C),酸素(O),フッ素(F)などの軽元素が窓材に吸収されてしまい,蛍光X線の検出が難しい.SEM-EDXではポリマーが窓材に使われている例もあるが,X線検出器の検出素子は可視光にも反応するため,可視光がポリマー窓を透過しノイズとなってしまう.そこで,検出器窓が,可視光は通さずX線を通すグラファイト膜が使用されている検出器を採用し,micro-EDXRFに搭載して従来は難しかった軽元素分析を試みた.本研究では,各種工業材料中のmicro-EDXRFによる軽元素イメージングを試みたので報告する.