2022 年 53 巻 p. 45-68
リアルタイム蛍光X線顕微鏡(Real-time X-ray Fluorescence Microscope;R-XRFM)によって,試料を走査することなく定量的元素分布が得られるので,R-XRFMが特にin-situ観察が必要な生化学や材料開発分野で有用であることが述べられる.R-XRFMについて,点焦点X線管を想定した試料面の励起X線強度とモノクロメータによる回折X線強度を考慮したray-tracing法シミュレーション計算により,位置分解能やX線強度分布が評価される.その計算に用いる動力学的理論に基づく計算式の導出と,計算に使われる物理量やパラメータの逆格子空間での幾何学的関係がレビューされる.さらに,シミュレーション計算により,分析元素が試料面に点在する場合の正規化係数Nsと試料面に分析元素が検出器の画素サイズより広い範囲に分布している場合の正規化係数Npが求められる.