2022 年 53 巻 p. 35-44
これまで,多くの論文でリチウム金属やリチウム化合物のLi K-吸収スペクトルが論文発表されている.これらは放射光軟X線を用いたX線吸収分光(XAS)測定だけでなく,放射光硬X線を用いたX線非弾性散乱(NIXS)や透過電子顕微鏡を用いたエネルギー損失分光(TEM-EELS)測定でも得られている.立命館大学SRセンターでも,その多くが未発表ではあるが,リチウム化合物の吸収スペクトル測定を行っている.しかし,同じ物質でも,これまで発表されたスペクトルに違いがあることが分かった.この主な原因はリチウム化合物の反応性が高いこと,容易に化学分解や照射ダメージを受けることによる.本報告では,代表的なリチウム化合物について,これまで発表されたスペクトルを比較検討することで,その違いが何によるものかを考察した.