2020 年 12 巻 2 号 p. 115-121
近年,保険薬剤師は業務の多角化が求められている.そのためストレスが増大し,インシデントにつながる危険性がある.しかし,保険薬剤師の職業性ストレスとインシデントの関連性については明らかにされていない.そこで本研究では,保険薬剤師の職業性ストレスとインシデントの関連性について調査した.2016 年12 月,(株)ツルハ(212店舗)の保険薬剤師を対象に勤務状況,職業性ストレス,離職願望およびインシデントに関するアンケートを実施した.回答が得られた 397 名のデータを解析した結果,職業性ストレス因子の「心理的な仕事の負担(量)」「仕事の適性度」「働きがい」と「離職願望」がインシデントと関連することが明らかとなった.本研究で明らかとなったインシデント関連因子を早期に把握できる環境を整える必要性が示唆された.