2021 年 13 巻 1 号 p. 46-53
地域一般住民を対象にヘモグロビン(Hb)A1c を指標にして,糖尿病発症に影響する測定項目間での関係を男女別に検討した.HbA1c,体組成,血圧,骨密度,脂質濃度を解析した.HbA1c を目的変数とした重回帰分析では,255 名(男性 94 名,女性 161 名)に対し男女とも年齢と体格指数(BMI)に有意な正の相関,女性で拡張期血圧と LDL コレステロール(LDL)に有意な負の相関が見られ,年齢,BMI と他の測定項目との交互作用モデルが得られた.男性では年齢と内臓脂肪面積,体脂肪率に,女性では年齢とLDL 間に交互作用を認め,男性の交互作用の単純傾斜分析は,高年齢群も低年齢群も正の相関,女性では高年齢群で負の相関を示した.以上,男女とも年齢と BMI が HbA1c 上昇に関与していた.