薬局薬学
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かかりつけ薬剤師制度認識前後の かかりつけ薬剤師の役割に対する患者の行動変化
堀井 徳光青木 勇人根岸 彰生大島 新司武藤 香絵井上 直子大嶋 繁小林 大介
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2021 年 13 巻 1 号 p. 62-67

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抄録

薬剤師は,患者の安全性を確保するために,患者がすべての処方せんを 1 つの薬局に持参するなどの行動を促す必要がある.それを制度化した,かかりつけ薬剤師制度が施行され,施行後の患者行動が調査されている.しかし,同一患者の行動変化については調査されていない.そこで今回,かかりつけ薬剤師制度認識前後での同一患者における行動変化を,インターネットアンケートを用い調査した.調査項目には,処方一元化,お薬手帳の提示などの 12 項目を用いた.解析対象者は 2,291 名であった.最も患者の行動変化が大きかった項目は,処方一元化であり,その割合は 27.3%から 35.4%に上昇していた.次いでお薬手帳の提示は,制度認識前後で 74.2%から 77.0%に上昇していた.その他の項目の変化率は 1.6%以下の上昇であった.かかりつけ薬剤師制度を認識することで,処方一元化率およびお薬手帳の提示率を向上する可能性が示唆された.

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© 2021 一般社団法人 日本薬局学会
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