薬局薬学
Online ISSN : 2434-3242
Print ISSN : 1884-3077
総 説
米国に見る医療デジタル変革と薬局事業—患者中心医療へのシフト—
陳 惠一
著者情報
キーワード: 医療DX, FHIR, VBHC, 患者中心, 薬局事業
ジャーナル フリー

2022 年 14 巻 1 号 p. 1-7

詳細
抄録

我が国において,医療費適正化が大きな課題となる中,デジタル庁が発足され,医療DXが促されている.医療DXが進んでいる米国おいては,1990年代から医療IT化を進め,2010年代に入ると政府は,医療機関間の医療情報連携方法の標準化(FHIR)を定め,リアルワールドデータ(RWD)等を用いて患者にとっての価値基準を算定,償還する医療制度(VBHC)へ,抜本的な改革を開始した.薬局業務も,服薬アドヒアランス指標等に基づいた償還が一部で開始され,患者中心の薬局薬剤師業務がより一層重要になりつつある.我が国においても,日本版FHIR案は,すでに策定されており,医療DXによって,薬局事業は厚生労働省の「患者のための薬局ビジョン」が示している,対物から対人への業務シフトが加速する可能性があり,薬局薬剤師の役割,薬局事業の重要性が増すことが期待される.

著者関連情報
© 2022 一般社団法人 日本薬局学会
次の記事
feedback
Top