薬局薬学
Online ISSN : 2434-3242
Print ISSN : 1884-3077
原 著
医薬品半固形経腸栄養剤の処方実態と併用薬剤の現状
名徳 倫明龍野 祥一岩浪 亮人面谷 幸子長井 克仁初田 泰敏小西 廣己
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2022 年 14 巻 1 号 p. 8-14

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抄録

近年,普及・浸透している医薬品半固形経腸栄養剤について,その処方実態を調査するとともに,併用されている薬剤について,院外処方箋情報を基とした処方箋データベースを用いて調査した.患者ベースで,ラコール半固形剤の 1 日服用量は 900 g,1回服用量は 300 g が最も多かった.併用薬は内用薬のみでは平均 6.5 種類であり,併用率が高い薬剤は酸化マグネシウム,ランソプラゾール,乳酸菌製剤,カルボシステインが上位であった.また,併用率が 5%以上の内用薬 30 種類のうち,抗てんかん薬が 4 種類であった.患者の多くは,低エネルギーで管理されていることが示唆された.また,在宅胃瘻患者ではポリファーマシーの状態にある患者が多く存在することが懸念された.併用薬剤に抗てんかん薬が多く見られ,薬物動態の変化にも注意する必要がある.

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© 2022 一般社団法人 日本薬局学会
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