薬局薬学
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イスラエルの新型コロナウイルス感染症対策から日本が学ぶべきことはあるのか?
坂田 恵高橋 淳武田 香陽子
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2023 年 15 巻 2 号 p. 111-120

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抄録

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)蔓延直後,イスラエルの迅速なワクチン接種状況が頻繁に報道され,各国がそれらの情報を参考にワクチン接種を推進したといっても過言ではない.一方,日本では当初,迅速にワクチン接種が進んだとは言い難い.新興感染症発生時の保健医療体制は各国で異なるのは当然だが,違いを把握することは,今後の日本の新興感染症発生時の対応に有益と考える.本研究では,イスラエルと日本の新興感染症発生時の保健医療体制や対応を両国の厚生労働省,外務省,世界保健機関(WHO)等の公式サイトから調査し,日本が今より改善できる要素はあるのかを検討した.結果,イスラエル政府の医療統括体制や医療digital transformation(DX)体制が,迅速なSARS-CoV-2対策体制整備に関連していることが示唆された.日本のニーズと安全性を確保しつつ,日本の新興感染症発生時の体制の簡素化や医療DXを進めることで,今後,迅速に国民に必要な医療を提供できる可能性が示唆された.

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© 2023 一般社団法人 日本薬局学会
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