2024 年 16 巻 2 号 p. 130-139
地域連携薬局であるすこやか薬局(当薬局)をかかりつけ薬局とする患者ががん治療を開始する際,引き続き当薬局を利用するか,がん関連専門薬剤師が在籍する専門医療機関連携薬局に変更するか,選択する機会が発生する.そこで,来局者のがん関連専門薬剤師に対するニーズおよび心理特性を把握するため,アンケート調査を実施した.
2020年1月~2021年2月に当薬局において抗がん薬を交付した来局者65名を対象にアンケート調査を行い,解析を行った.
当薬局への専門薬剤師の在籍意向性は,専門薬剤師在籍薬局の選択意向性を有意に上回った.専門薬剤師在籍薬局の選択意向性が高い来局者の心理特性として,保険薬局薬剤師への相談意欲,Webサイトからの情報収集力の高さ,抗がん薬への特別意識が挙げられた.当薬局への専門薬剤師の在籍意向性が高い来局者の心理特性として,安心感,病院薬剤師への相談意欲,情報共有の受容が挙げられた.