2024 年 16 巻 2 号 p. 140-148
一般社団法人岡山県薬剤師会では,独自のプレアボイド報告システムPharma-PROsを作成しプレアボイド事例の収集事業を行っている.本研究では,プレアボイド報告の推進に向け,プレアボイド報告に関連する因子の検討,ならびにPharma-PROsの有用性評価を目的にアンケート調査を実施した.その結果,プレアボイド報告の実施と薬剤師経験歴および20薬局以上(法人)であることとの間に有意な関連を認めた.また,Pharma-PROsにはプレアボイド報告にかかる負担軽減,プレアボイドに関する理解醸成,プレアボイド報告の質の向上に有用であるといった強みが見いだされ,本事業はプレアボイド報告に対する有用な支援となっていると考えられた.他方,経験の浅い薬剤師は相対的にプレアボイド報告の実施が低く,組織形態によっても報告実績が異なることが示唆され,これらの理由や求められる支援等について検討が必要と考えられた.