2024 年 16 巻 2 号 p. 113-122
薬局薬剤師は「門前」から「かかりつけ」への移行に伴う多様な処方箋応需や,法改正により調剤後フォローアップ,リフィル処方箋の調剤可否判断など,個々の患者にあった対応が求められる機会が増えている.そのためには外来患者の情報の共有が必須である.保険薬局-医療機関間の外来患者情報共有の内容と方法についての現状と今後の希望を調査する目的でアンケートを行った.「病名」「現在の病状」等の患者に関する情報の他に,「処方変更理由」「処方意図」等の処方に関する情報を有用としていた.現在は処方箋への記載等紙媒体での共有が多く,今後も同様の方法での共有を希望していた.本調査では68.6%の薬局薬剤師が外来診療の度に情報共有実施が有用だとしており,他では必要時のみなどの意見があった.薬局薬剤師が希望する外来患者情報が共有されることで個々の患者に応じた適切な対応を行うことができ,薬物治療へより貢献できると考える.