2024 年 16 巻 2 号 p. 93-100
日本は本格的な高齢社会へと進んでおり,国民医療費は約45兆円となっている.
また医療費にかかる2024年度の国庫負担額は11兆円を超え,国の一般会計歳出の1割弱が医療費に充てられている状況である.このような状況の中,規制改革会議等を経て政府方針として出されているのが処方箋薬のスイッチ化推進である.医療費削減の一助となるとともに,国民の利便性を向上させ,薬剤師が特に要指導薬,第一類他のOTC(over the counter)販売においてしっかり関わり,患者の相談応需や経過観察,また受診勧奨等地域の医療機関と連携を深めていく流れは非常に重要である.このスイッチ化の動きが益々加速するものと思われるが,今回は緊急避妊薬等を例にしながらスイッチ化推進に伴ってOTC販売に関わる薬剤師の責務について述べる.