薬局薬学
Online ISSN : 2434-3242
Print ISSN : 1884-3077
原 著
在宅経管栄養患者の栄養・水分管理状況,および経腸栄養剤の投与操作を主に行っている人の負担感に関するアンケート調査(ケアマネジャー・訪問看護師を介した聞き取り調査)
面谷 幸子龍野 祥一岩浪 亮人中原 麻佑名德 倫明
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 17 巻 1 号 p. 42-53

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抄録

本邦では,液体栄養と半固形栄養,それぞれの在宅経管栄養に係る肉体的・精神的負担を調査・比較した報告はない.本調査ではケアマネジャー・訪問看護師を通じ,在宅経管栄養患者(液体群96名,半固形群93名)の主たる介護者に栄養・水分管理状況について聞き取りを行うとともに,経腸栄養剤の投与操作を行っている方の肉体的・精神的負担感を調査した.結果の概説として,1日の投与熱量は両群とも約1,000 kcalであり,投与時間は半固形群が有意に短く,両群共に一切水分の追加投与が行われていない人も一定数存在し,半固形群は液体群より内服薬の種類数が有意に多かった.経腸栄養剤投与の負担感の程度は両群で違いは無かったが,負担を感じる内容には違いがみられ,半固形では内服薬投与の準備や注入に力が必要な点,液体では投与時間が長い点が負担となっていた.これらの軽減のために,多職種による連携と介入が重要であると考えられた.

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