2025 年 17 巻 1 号 p. 42-53
本邦では,液体栄養と半固形栄養,それぞれの在宅経管栄養に係る肉体的・精神的負担を調査・比較した報告はない.本調査ではケアマネジャー・訪問看護師を通じ,在宅経管栄養患者(液体群96名,半固形群93名)の主たる介護者に栄養・水分管理状況について聞き取りを行うとともに,経腸栄養剤の投与操作を行っている方の肉体的・精神的負担感を調査した.結果の概説として,1日の投与熱量は両群とも約1,000 kcalであり,投与時間は半固形群が有意に短く,両群共に一切水分の追加投与が行われていない人も一定数存在し,半固形群は液体群より内服薬の種類数が有意に多かった.経腸栄養剤投与の負担感の程度は両群で違いは無かったが,負担を感じる内容には違いがみられ,半固形では内服薬投与の準備や注入に力が必要な点,液体では投与時間が長い点が負担となっていた.これらの軽減のために,多職種による連携と介入が重要であると考えられた.