論文ID: oa.2024-0021
電話による服薬フォローアップを契機に提出されたトレーシングレポート(TEL/TR)を分析し,有効性の評価を行った.期間内に提出したTEL/TRは907枚であり,TR全体の46.5%(907/1,952枚)を占め,電話連絡が重要な情報源となっていた.内訳は,副作用・アレルギー関連:1,387件,病識・薬識・生活環境関連:603件,併用薬・用法用量・剤形関連:33件,服薬アドヒアランス関連:452件(TR1枚あたり複数件の報告あり)であった.処方提案を含むTRは140件あり,その内68件は提案通りに処方が変更された.また変更されなかった場合の理由を22件,調査できた.処方提案という形での記載はないが,TRで患者状況を医療機関側に報告した後に,処方などが変更された事例が106件あった.服薬フォローアップから得られた情報を医療機関へ提供することにより,次回診療時にその情報が活用され,薬物治療をサポートする一助になっていることが明らかとなった.