論文ID: oa.2025-0002
服薬指導時に得られた情報をもとに提出したトレーシングレポート(TR)(対面/TR)と電話による服薬フォローアップを契機に提出したTR(TEL/TR)の記載内容と提出後の治療の変更状況を比較検討した.提出した対面/TRは845枚(907件),TEL/TRは907枚(2,475件)であった.対面/TRでは特に「病識・薬識・生活環境関連」,「服薬アドヒアランス(DA)不良」の報告割合がTEL/TRに比べて有意に高く(P<0.01),TEL/TRでは「DA良好」,「副作用・アレルギー関連」の報告割合が対面/TRに比べて有意に高かった(P<0.01).本研究より,対面での患者応対とフォローアップの電話では,得られる患者情報の種類が異なり,医師と共有する内容も異なることから,対面・TELの両方を組み合わせることで,より切れ目のない継続的な薬学的管理が可能となることが明らかとなった.