薬局薬学
Online ISSN : 2434-3242
Print ISSN : 1884-3077
トレーシングレポートの記載内容と提出後の治療に関する解析~第2報:電話による服薬フォローアップと対面服薬指導で得られる情報の活用結果の比較~
染谷 光洋山下 美妃 樋浦 一哉西田 愛吉田 莉子川田 悠貴石尾 有司木下 隆市谷口 亮央中島 史雄
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: oa.2025-0002

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抄録

服薬指導時に得られた情報をもとに提出したトレーシングレポート(TR)(対面/TR)と電話による服薬フォローアップを契機に提出したTR(TEL/TR)の記載内容と提出後の治療の変更状況を比較検討した.提出した対面/TRは845枚(907件),TEL/TRは907枚(2,475件)であった.対面/TRでは特に「病識・薬識・生活環境関連」,「服薬アドヒアランス(DA)不良」の報告割合がTEL/TRに比べて有意に高く(P<0.01),TEL/TRでは「DA良好」,「副作用・アレルギー関連」の報告割合が対面/TRに比べて有意に高かった(P<0.01).本研究より,対面での患者応対とフォローアップの電話では,得られる患者情報の種類が異なり,医師と共有する内容も異なることから,対面・TELの両方を組み合わせることで,より切れ目のない継続的な薬学的管理が可能となることが明らかとなった.

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