1967 年 87 巻 7 号 p. 778-780
前報1)において著者等は二糖類硫酸エステルのような低分子化合物でも硫酸基を十分に導入することによって, 多糖体硫酸エステルと同等の抗ペプシン, 抗潰瘍作用を発揮することを報告するとともに, 糖類硫酸エステルの抗潰瘍作用の発現には硫酸基が主作用団として働き, 分子重合度は補助的な因子として作用発現に関与すると推定した.そこでこの点をさらに明確にする目的で三, 四糖, 単糖および単糖還元成績体の硫酸エステルを用いて検討するとともに, 抗潰瘍作用に対してN-sulfateとO-sulfateの間に差異があるか否かも併せて検討した.