抄録
同じ1947 年に、「日本国憲法」と最初の「教育基本法」が施行された。この教育基本法の第一条に、教育の目的として人格の完成を目指すと明記された。また同年に施行された「学校教育法」によって、学校教育制度の根幹が定められた。2006 年12 月22 日に改訂された教育基本法の第一条も、最初の「教育基本法」を踏襲している。
教育基本法の制定から75 年を経て、戦後の民主主義の教育を受けた世代の人々にとって「人格」「個々人の尊厳」という言葉は馴染まれてきた。だがそれだけに、多様に語られる人格および人格教育の内容とは何か、それに対するキリスト教独自の理解と特性および今日的意義は何かが改めて問われている。それに答えて、神学およびキリスト教教育学の視点から一つの考察を試みる。その出発点として今回は特に、人格と顔との関連に注目し、第II 章においては近代日本の教育思想家における人格論へと視点を移して論じ、最後にキリスト教学校における人格教育の使命について言及する。