抄録
患者は67歳女性.脳血管性認知症による幻視,記憶障害,意欲低下の治療中に血中アンモニア値の上昇を認めた.腹部造影CT 検査で脾静脈?左腎静脈シャントを認め,シャントによる高アンモニア血症が原因と考えられた.ラクツロース・分岐鎖アミノ酸製剤の内服では改善しないため,開腹下にシャント閉鎖術を施行した.術後の血中アンモニア値は正常化し意欲低下は改善したが,幻視,記憶障害は改善しなかった.頭部MRI検査の再検でCreutzfeldt-Jakob病が疑われた.先天性脾静脈?左腎静脈シャントによる高アンモニア血症に対しては,シャント血管の結紮・切離のみで良好な結果が得られる可能性がある.