山口医学
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認知症対応型グループホームの職員を対象とした看取り研修プログラムの効果の実証~混合研究法を用いて~
永田 千鶴澤﨑 美香太田 友子清永 麻子田中 愛子
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2025 年 74 巻 4 号 p. 179-193

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抄録
 本研究の目的は,認知症対応型グループホームの職員対象の看取り研修プログラムの効果を,混合研究法を用いて実証することである.参加者20名を対象に,レクチャーとフォーカスグループディスカッション(Focus Group Discussion;FGD)で構成する研修を対面とオンライン併用で初回と6ヵ月後の2回実施した.参加者のうち有効回答18名の研修前・直後・3ヵ月後および6ヵ月後の反復測定分散分析の結果,「知識」は直後に最も高い得点を獲得し,3~6ヵ月後も保持していた(p<.001**).「自信・意欲」は3ヵ月後一旦低下し,6ヵ月後に回復した(p=.017*).6ヵ月後,「困難感」は最も軽減し,「職務満足度」は有意に高まった(p=.028*).初回のFGDで語られた,認知症対応型グループホームにおける看取りの実践では,[グループホームで看取る意義]の理解を促進し,[看取りに必要な知識と技術]の向上を目指した[看取りへの教育的支援]や[看取りの実践への支援体制]および[看取りに重要な職場風土]への取り組みが,[本人・家族にとって最善の看取りの実現],さらには[看取りの実践への連鎖]につながっていくプロセスが確認された.また,フォローアップ研修までの6ヵ月間に[看取りへの意識の向上]や[看取りの質の向上]に取り組んでいることが明らかになった.本研修プログラムにおけるFGDで実体験を語り合うことにより,具体的な看取り実践行動への示唆を得,看取りの実現につながっていた.また,FGDで実践を振り返ることは,自己の実践を客観視し,自己認識を高める機会となり,知識や自信・意欲の向上,困難感の軽減に加え,職務満足度を高めたと考えられる.研修の効果を6ヵ月以上保ち,より看取りの実現可能性を高めるためには,継続的かつ段階的な研修プログラムの開発が求められる.
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© 2025 山口大学医学会
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