農林業問題研究
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個別報告論文
農村活性化におけるIターン者の役割
―関西地方の農村部の事例―
オビクウェル フェイツE.池上 甲一鶴田 格
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2018 年 54 巻 3 号 p. 125-132

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抄録

本論文では京都・奈良の山村部に移り住んだIターン者を事例に,その農村活性化に果たしうる役割を検討する.ここではIターン者の貢献を(1)村落の既存の機能や活動の再活性化,(2)これまでにない新しい活動の導入,という二つの側面から分析した.まず公的な村の組織活動については,Iターン者は寄合や村の共同作業に可能な限り参加しようとする姿勢がうかがえた.Iターン者はまた,村の伝統芸能や祭りの保存に深い関心をもち,積極的に関わっている場合も多い.食料の一部自給を目指すIターン者も多く,有機農法や自然農法を実践している人が多かった.このようにIターン者は,既存の村機能を活性化させる意味でも,新しい試みをしていくという意味でも,さまざまな役割を果たす可能性をもっている.ただそうした役割を果たすためには,公的な行事や農作業などに積極的にコミットし,地元住民の信頼を得ることが重要であることも判明した.

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© 2018 地域農林経済学会
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