品質の低下したサトウキビ(劣化原料)が製糖効率を低下させることが報告されている。本研究では,近赤外分光法(以下,NIR法)を用いてサトウキビ劣化程度の迅速な判定法を検討した。ショ糖,ブドウ糖,果糖濃度の合計に対するショ糖濃度の割合を劣化程度の簡便な判定指標(純ショ糖率)とした。NIR法によるショ糖,ブドウ糖,果糖の検量モデルはいずれも良好な精度を示し,純ショ糖率も推定可能であった。製糖工場で測定されたNIRスペクトルから純ショ糖率を推定した結果,845 tの劣化原料が製糖工場へ搬入されており,収穫方式の違いによる劣化原料の実態を推察した。NIR法によるサトウキビ劣化原料判定の可能性が示された。