日本腰痛研究会雑誌
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いわゆるぎっくり腰のX線所見
椎間関節の「ずれ」を中心に
吉田 徹
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キーワード: 腰痛, 椎間関節, X線所見
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1998 年 4 巻 1 号 p. 42-47

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抄録
ぎっくり腰では, X線像で腰椎の側屈変形が163例中117例71.8%にみられた.椎間高位別ではL3/4間3.1%, L4/5間25.8%, L5小S間42.9%であった.これら椎間側屈度の平均値は2.6゜ であった.これら症例のうち, 椎間関節の運動に問題があると思われる椎体回旋を伴った脊柱側彎変形例が36%にみられた.治療は椎間関節のずれを戻すという方針から90-90牽引療法を行った.90-90牽引は躯幹, 骨盤の重さを利用し, 腰椎の前彎を減少するpositionをとり, 後方の椎間関節をゆるやかに開いていき, 椎間関節のずれを戻す作用があると考える.各症例は90-90牽引後, 椎間側屈変形は改善され, 同時に症状の改善がみられた.以上よりぎっくり腰では椎間関節のずれが発症の主な原因と考えた.
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