日本養豚学会誌
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原著
給与する乳成分の発酵処理が離乳子豚の飼養成績に与える影響
大塚 誠勝俣 昌也山崎 信高田 良三
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2007 年 44 巻 1 号 p. 17-21

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抄録
本研究では,飼料に混合する乳成分の発酵処理の有無が離乳子豚の飼養成績に与える影響を解明することを目的に3週間の飼養試験を実施した。供試動物は,LWD種離乳子豚6頭とLW種離乳子豚6頭の計12頭(平均体重7.4kg)とした。試験区は人工乳とLactobacillus plantarum E4.0(2)-1株を用いて調製した発酵乳を1 : 5(wt : wt)の割合に混合したリキッド飼料を給与する発酵乳区,人工乳と酸性化牛乳(乳酸でpH 4.3に調整)を1 : 5(wt : wt)に混合したリキッド飼料を給与する酸性化牛乳区の2区とした。その結果,日増体量に差は認めらなかったが,発酵乳の給与により乾物摂取量は有意(P<0.05)に増加し,飼料効率は低下傾向(P<0.10)を示すという成績が得られた。また,飼料中のエネルギー含量とアミノ酸組成を測定したが,飼料効率が低下するほどのエネルギー含量の低下およびアミノ酸含量の変動は認められなかった。以上の結果より,L. plantarum E4.0(2)-1株を用いて調製した発酵乳を離乳子豚に給与すると,酸性化牛乳を給与するよりも乾物摂取量は増加するが,増体量には差が認められないことがわかった。
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© 2007 日本養豚学会
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