1973 年 10 巻 2 号 p. 111-117
体重約20kgの豚を用いて赤クローバーサイレージの各成分の消化率, TDN, および生物価を2回に亘り測定した。その結果を要約すると次のごとくである。
1 赤クローバーサイレージ中各成分の全糞採取法による消化率は実験1と2で異なり, 粗蛋白質の消化率はそれぞれ56および53%, 乾物当りTDNはそれぞれ62および55%だった。この差は材料の熟期によるものであろう。
2 すべての成分において, 全糞採集法による消化率が酸化クロム法によるものより高い値を示した。しかし有意差はなかった。
3 赤クローバーサイレージ粗蛋白質の生物価は約50%だったが, メチオニン添加により70%以上に向上し, カゼインおよび市販配合飼料とほぼ同じ値に達した。
4 市販配合飼料と, その20%を赤クローバーサイレージで置換した飼料について生物価を測定した結果, まったく同じ値を示した。この結果は, 両者ともメチオニン添加の効果がなかったことから, 配合飼料中の過剰メテオニンによってサイレージ中の不足量が補足さたたであろう。