日本養豚研究会誌
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豚の発情再帰とその諸要因との関係
宮嶋 松一椎葉 純一河野 建夫稲垣 二郎
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1979 年 16 巻 1 号 p. 45-55

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抄録

当場にけい養されているランドレースについて, 1973年3月~1977年11月の間にけい養された種雌豚の発情再帰と諸要因との関係を検討した結果は次のとおりであった。
(1) 産次別発情再帰日数は, 初産29.0日, 2産15.2日, 3産以上16.5日で有意差が認められ, 初産豚に発情再帰日数が遅い傾向が認められた。
(2) 分娩前体重と発情再帰日数は, 初産では体重200kg以下201kg以上, 2産以上では220kg以下と221kg以上で, 発情再帰日数に有意な差が認められた。
(3) 体重減少率と発情再帰日数は, 初産では有意差が認められたが, 2産, 3産以上では差は認められなかった。
(4) 月別発情再帰日数は, 初産, 3産以上では有意差が認められたが, 2産では月別の差は認められなかった。
(5) 発情再帰日数と他の形質の相関は, 初産において, 分娩日齢の遅いものは発情再帰が遅い傾向が認められた。体重減少率と発情再帰日数では, 体重減少率の少ないものは, 発情再帰が早くなる傾向が認められた。
6 体尺測定値と発情再帰日数は, 90kg時における, 胸深, 体高, 尻長において相関が認められた。
130kg時においては, 130kg日齢, 胸囲, 管囲, 胸深, 十字部高において有意な相関が認められた。
分娩前においては, 胸囲と発情再帰日数の間に有意な相関が認められ, 胸囲が大きくなると発情再帰が早くなる傾向にあった。
7 発情再帰日数と魚粉添加飼料の給与では魚粉を5%添加した区の方が初産において発情再帰の早い傾向があった。
8 個体別発情再帰日数は, 個体により発情再帰が, 短かいもの, 長いものがあり有意差が認められた。
以上の結果から, 発情再帰に関与する要因は多く考えられるが, 栄養的な関係がかなり強いと思考されるので, 分娩前体重はある程度の大きさに持ってゆき, 分娩後は栄養的に不足にならないよう, 哺乳中は十分に飼料を給与することが必要と思われる。

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